森林は世界の土地面積の約3割を占め、また日本は国土の約6.7割、奈良県は面積の約7.7割が森林になっています。なかでも吉野川上流地域(川上村、東吉野村、黒滝村)は「吉野林業地域」と呼ばれ、日本最古(1500年頃)の造林地です。極端な密植、弱度の間伐を数多く繰り返し、長伐期(通常の主伐林齢のおおむね2倍に相当する林齢を超える林齢で主伐を行う)とする集約的施業による、わが国有数の優良材生産地なのです。
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樹種 | 場所 | 林齢 (年) |
含水率 | 本数 (本) |
ヤング係数 | |||
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E70 | E90 | E110 | E130 | |||||
スギ | 野迫川村 | 60 〜 95 |
10.4 〜 30.2 |
54 | 16本 30% |
23本 42% |
15本 28% |
|
スギ | 十津川村 | 47 | 6.3 〜 29.4 |
144 | 13本 9% |
131本 91% |
||
ヒノキ | 野迫川村 | 52 〜 83 |
10.2 〜 16.2 |
65 | 17本 26% |
40本 61% |
8本 12% |
奈良の代表的な木は、杉と桧ですが、年輪幅が狭く密度が高いことから、一般的な杉・桧に比べて強く、たわみにくい特徴を持っています。これは、台風や地震などに耐えうる家づくりをするうえで重要な要素です。木のたわみにくさを示す「ヤング係数」の調査では、奈良県産材が一般的な材よりも高い強度を示し、その強さが数値により証明されています。杉の全国データは、ヤング係数がE70を示すものが最多です。しかし奈良県産材は大半がE90以上を示しています。
木材は年輪幅が広いとシロアリの食害を受けやすい傾向があります。同じ樹種で比較した場合、奈良県産材は年輪幅が狭く、害虫に強いと考えられています。
また右の写真で分かるように、野外耐蟻性試験の結果、外国産のスプルース、ベイツガ、ベイマツに比べ、国産材である杉や桧がシロアリに強いことがわかります。
このほか、奈良県産材は、節が少ない、年輪幅が均一で細かく、特に、スギ柾目は人気があり、木目が直線で美しいなどの特徴があります。
家を建てる際に必要となる「奈良の木」への費用は、奈良の山を育てることに繋がります。新しい木を植え(植栽)、間伐を行うことで太陽と風をしっかりと浴びて丈夫に成長させ、余分な枝を無くすこと(枝打)で節の無い美しい木に育ちます。木を使うことで、森林の資源循環が良くなり「元気な森」を守ることができます。それは、土砂崩れ、洪水などの災害防止し、きれいな水を蓄え、CO2を吸収して空気を浄化し、温暖化防止にも繋がります。