「奈良の木」を学術的に見る

優れた素材、確かなデータ

強く上質であるといわれる「奈良の木」。具体的には、どのように優れた特徴を持っているのでしょうか。奈良県森林技術センターによって「奈良の木」を科学的なデータで解析したさまざまな研究内容をご紹介します。

※当ページは、2015年12月25日発売の雑誌【「奈良の木」BOOK】掲載のデータです。

  • 図1 調査に用いた奈良県産スギ材のサンプル写真
    • 調査結果
    • 建築業
    • 木材業
    • 主婦
    • 学生

奈良県産スギ材のイメージ

奈良県産スギ材の印象と住宅用内装材として適する用途について、売り手と買い手の意識の相違を調べるために、外観の異なるスギ材のサンプル写真を用いたアンケート調査を行いました。

サンプル写真は、図1に示す心材板目板(年輪幅が狭いものと広いもの)、辺材板目板(年輪幅が狭いものと広いもの)、心材柾目板、源平柾目板、一般材(節の多いものと少ないもの)の8種類です。印象の選択項目は、軽快な、くつろいだ、自然な、古風な、重厚な、高級な、上品な、すっきりした等としました。用途の選択項目は、居間、主寝室 および子供部屋の壁材および床材としました。回答者数は建築業51人、木材業・林業27人、主婦・その他22人、学生39人の合計139人でした。調査結果を図2に示します。

スギ材は外観の違いにより、見る人に与える印象や、適すると考えられる用途が異なっていました。
山型の木理がない心材柾目板等は、「すっきりした」印象を与えました。年輪幅の狭いものは、広いものより多くの項目で強い印象を与えました。
材色の濃い心材板目板は、「重厚な」印象を与え、主寝室および居間の床が選ばれました。
一方、材色の薄い辺材板目板は、「軽快な」印象を与え、居間および子供部屋の壁が選ばれました。
また、心材柾目板は、「高級な」「上品な」「すっきりした」 印象を与え、主寝室、居間および子供部屋の壁が選ばれました。
節のある一般材は「自然な」印象を与え、子供部屋の壁および床が選ばれました。

与える印象は、職種が違っても同様の回答になりましたが、項目によってはやや異なる場合もありました。学生は心材柾目板に「軽快な」印象を持ち、主婦は心材板目板に「古風な」印象を持ちました。

適する用途は、職種により異なる場合があり、学生は、心材板目板では床に加えて主寝室の壁を、心材柾目板では壁に加えて子供部屋の床を選びました。

No.4「木材の乾燥」

No.4「木材の乾燥」

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