大切な「人・家族」の 想いを住み継ぐ古民家再生

一歩足を踏み入れると、木の香りに包まれるこちら。広いリビングダイニングは、住まいを分断するようにあった土間に床を張り、構造補強を行い間取りを一新。床材や腰壁の板はすべて吉野杉で、思わず素足で歩きたくなるような優しい柔らかさがあります。
木製の建具は、すべて元の家のものを再活用。立派な柱や、梁を利用した階段、中廊下、どの場所もワンランク上の趣があります。黒光りする古材と吉野杉の清々しい白。吉野材はあえて詰めて植えられ、木目の間隔が密で真っすぐな木が育つといいます。そんな吉野材ならではの美しさを生かすために節をあえて見せた新しい杉材と、この家を支え続けてきた古材とが共存することで、多様な木の魅力が感じられる家へと生まれ変わっています。
また、モダンなシステムキッチンや、システムバスなどの近代設備も充実しており、現代の暮らしに合った心地良さも兼ね備えられています。お施主様のおじいさんが約60年前に建てたというこの家は、どのような想いで建てられたのでしょうか。
この家が住まう人たちと共に過ごした年月…。古民家をリフォームして再生するとき、家には何層にも時代が積み重なっています。その想いや歴史をくみ取り、今の世代、次の世代が心地よく過ごせる家。快適に住み継がれることで、より趣深い空間へと熟成し続けるのでしょう。