築47年 昭和の家 リノベーション

約半世紀を経た住まいをリノベーションしたこちらは、お施主様の「古くて良いものを生かしながら、断熱性や耐震性を実現し、居心地のよい空間」という希望を叶える、新旧の調和が取れた仕上がりになっています。1階の床には桧、2階の床と天井には杉と、それぞれに新しい奈良材を用い、逆に既存の柱や梁といった天井や壁の中に隠れていた構造材は一部を現しとし、障子や木製建具など既存品を再利用されています。風情のあるホーローキッチンも再利用され、アイランドキッチンとして生まれ変わりました。古き良き雰囲気を残しながら、リノベーション後も長く付き合っていく将来性をも感じさせています。
また、重い和瓦から軽いガルバニウム鋼板へ屋根を葺き替え、耐力壁補強など家全体の耐震性を高め、床には防湿のための土間コンクリートを打設したうえ、新たに床組みをして吉野桧のフローリングで仕上げました。構造補強と併せて、床、壁、天井の各所に断熱材を充填し、一部を二重サッシにすることで、断熱性も高められています。構造としては、和室であった2階天井を取り去り、吹き抜けを設けることで、光と風を取り込めるようになりました。これにより、キッチンとダイニングから、庭へという広がりが感じられる場所となり、まさに、人が集まりやすい開放的な空間になっています。