第2回 審査員特別賞
のびのびリビングの家
美しい木目で魅せる 大きなリビングダイニング
育ち盛りの子ども達が、広いリビングを走り回ったり、ダイニングのスタディスペースで勉強したり……。個々の部屋で過ごすよりも、家族全員1階で過ごすことが多いというこちらの住まい。子どもも大人ものびのび過ごせる家にしたくて、心に描いたイメージを元に設計してもらったそう。友だちがたくさん遊びに来たって心配なし。そうして訪れた人には決まって「この家に入ると木の香りがする」と言われるそうです。それもそのはず。約40帖あるLDKの床や天井には、ふんだんに奈良の木を使用。吉野材が持つ木目の緻密さや色つやの良さが、白い大きな壁とのコントラストで、より存在感を増しています。梁を支える2本の柱は、住まいのシンボル。構造上必要であるというだけでなく、家の個性を表現することにも一役かっています。
高断熱の複層ガラスと、セルロースファイバーにより、断熱性能も抜群。夏は、小さなエアコン一つで家中が涼しく、冬は外から家に帰ってきたときに、この家の暖かさがよく分かるとのことです。窓の外に広がるのどかな田園風景とひと続きになったような、のびのびリビング。おおらかな空間でありながら、木の温もりにあふれ、快適性も兼備。家族や友人たちの笑顔が自然と集まってくる住まいです。
―――住まい手のイメージを大切に、共につくり上げた理想の家―――
「他とは違う家にしたい」。走り回れるほど広いリビングや、1階にまで明るい日差しを行き渡らせる大きな吹き抜けは、あらかじめお施主様がイメージしていた間取りです。そのイメージを元にして、構造上必要な柱や壁を追加しながら設計が進められました。中でも2階の吹き抜け周りの手すりは、雑誌の切り抜きで具体的なイメージを共有し、思い描いた通りの形になりました。
洗い出しの玄関土間は、施工業者とご家族の共同作業で。下足箱やコート等をしまえる収納といった機能面だけでなく、「一緒につくり上げる」ことで家への愛着もより深くなったそうです。
一方、LDKに張りめぐらされた印象的な小梁は、作り手からの提案。白い壁と、格子状の梁をわたした天井とのバランスが、この家を代表する個性の一つとなりました。木造であることと、「木の家に住んでいる実感」を持つことは、似て非なるもの。プラスされた木の魅力が、さらなる住まい手の満足へとつながっています。
住まい手の希望を叶え、住まいへの愛情を育てること。その上で、作り手の提案によって一歩進んだ心地よさをプレゼント。様々なアプローチを積み重ねて形づくられた、唯一無二の空間です。木の香りに包まれてのびのびと過ごす日々は、おおらかで明るい未来へと続いています。
設計業者 | イシダ・ハタナカスタジオ |
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施工業者 | 有限会社 高山工務店 |
奈良県産材納材業者 | 阪口製材所 |