第2回 優秀賞
新しくて古い家
外にいる心地よさが 大空間に広がる住まい
伝統に培われた技術があること、また日本の気候風土にも合うという点から、「木の家づくり」にこだわって設計・施工されたこちらの住まい。いかにも新築らしい印象になることを避け、古めかしさと新しさとがほどよく混ざり合う空間になるようデザインされています。この住まいの魅力は、玄関ドアを開けた瞬間から早くも伝わってきま
す。土間続きになった玄関収納は、アウトドア用品などを置いてもゆとりが残る十分な広さ。そして玄関ホールにあるリビングを望める窓のおかげで、四方を壁や扉に囲われた場所であるにも関わらず、圧迫感を感じません。住まい手が家に帰ってきた時に、またゲストがこちらの住まいを訪ねて来た時に、人をやさしく迎えてくれる温もりに包まれた空間になっています。LDKは、視線を遮る仕切りのない、広々としたワンルーム型。この大空間は、奈良県産の木が持つ「たわみに強い」という特性が生かされて実現したものです。リビングの吹き抜けと、その上部に設置された大きな窓からは、自然の光がたっぷりと入ってきます。空気の流れが計算された設計も手伝って、まるで家の中と外とがひと続きになっているかのような心地よさを感じることができる住まいになっています。
―――さまざまな素材が調和する人の五感を満たす家―――
床や天井、現しになった柱や梁には、もちろん奈良県産の杉・桧が使われました。無垢の杉や桧ならではの清々しい香りと豊かな表情を楽しめ、さらに室内の所々に施されたレンガやアイアンによる仕上げが、視覚的な刺激も与えてくれます。異素材がほどよく調和した、人の五感を満たしてくれる空間です。これは、こちらの住まいを設計・施工した『なかむら工務店』が狙ったこと。
視覚を刺激しつつ調和が取れているデザインからは、より大きなリラックス効果を得られるそう。こちらの住まいでは、その狙いが見事に的中しています。
小屋裏収納や大きなパントリーを備えている点、またウッドチップの上に漆喰調塗料が塗られた「上塗りが可能な壁」や、高気密・高断熱・高耐震の設計と太陽光発電で省エネ住宅になっていることも、長く暮らしていく上での大きな魅力。「コーディネートが楽しい家になりました」とは、こちらの奥様からのご感想です。キッチンまわりを中心に、家中の至る所に奥様のセンスが光っています。お子さんのお気に入りは、吉野桧の床。心地よい肌触りに、いつもいろんな所で寝転んではリラックスしているそう。
こちらの住まいは、設計・施工を担当した『なかむら工務店』の家づくりに対するこだわりが、見事に体現された家になっています。
設計業者 | 株式会社 なかむら工務店 |
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施工業者 | 株式会社 なかむら工務店 |
奈良県産材納材業者 | 株式会社 花田材木店 |